HCK講演概要

伊藤 史人氏

重度障害児教育、「できない」「やらない」からの解放

~フリーソフトEyeMoTでひろがる重度障害児の世界~

よだれを流して横たわっている重度障害児を見て、多くの人はこう思うでしょう。

「きっと、この子は何もわかってないし、できない」

「私たちは、何をどう教育したらいいのだろうか」

「もう何もしないで、このまま寝ててもらえばいいのではないだろうか」

事実、多くの療育現場では、おおむねこのようなオトナが珍しくないのではないでしょうか。

私たちは見た子どもたちの目に騙されてはいけません。

子どもたちの能力は日々成長するし、支援者の取り組みによって思わぬ能力が開花することがあります。

自己決定によりできることを増やせる人もいれば、支援者に依存しなければならない人々もいます。

その点、多くの重度障害児は、支援者に依存した支援を必要としています。

テクノロジーはどんどん進化しています。

かつてはできなかったことが、低コストでできるようになっており、重度障害児支援においてもそうです。

本講演では、視線入力装置を主力にして、フリーソフトEyeMoTを活用した重度障害児支援の取り組み方についてお話します。

主に、これまで支援技術が適用できなかった重度重複障害児のような子どもたちが対象です。

根気強い取り組みによって子どもの「できない」が「できる」になる、支援者の「やらない」から「やりたい」に変わった実例を具体的に示します。

そして、私たちは知ることになります。

変わったのは、実は私たちであるということを。

そう、支援技術は子どもよりも、支援者を大きく変えるのです。

ポランの広場

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福島 勇氏


【重度・重複障害児のデキルことを遊び・学習・暮らしに活かすテクノロジーの活用について】

重度の肢体不自由と重度の知的障害を併せ持っていると評価・診断されている重度・重複障害児の多くは、言葉を話すことや文字を書くことによる意思の表出だけでなく、自ら外界に働きかける手段が少ないため、遊び・学習・暮らしの場面で受動的になりがちです。

受動的な立場が続くことは、子どもたちの意欲を低下させ、その発達やコミュニケーションを阻害する要因の一つと考えられています。しかしながら、近年のテクノロジーの進化により、彼らのデキルこと(=可能な動作)に反応するアクセシビリティスイッチや視線入力装置などが入手しやすくなってきました。それらを活用することによって、乾電池で動くオモチャや家電品を自ら操作することができるようになります。

また、VOCA(=音声出力会話補助装置)やスマートデバイス(=iPadなどのタブレット端末やスマートフォン)のVOCAアプリやそれにアクセシビリティスイッチで入力するためのインターフェイス等を活用することによって、意思を表出することができるようになります。

今回の講演では、①アクセシビリティスイッチでオモチャや家電品を動かす方法、②VOCAやiPadのVOCAアプリを活用して意思を表出する方法、③iPadでアクセシビリティスイッチを使う方法、について紹介します。】

Sam’s e-AT Lab

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中島 勝幸氏

1.視線入力に関して利用可能な公的制度

 (1)日常生活用具

  どんな機器が支給可能?

  支給金額の条件は?

 (2)補装具(重度障害者用意思伝達装置)

  支給される条件は?

 (3)現行制度の壁と制度改革

  ちょっと硬い話題ですが、皆さんの要望に対して、政府がどのように動いているか…

  厚労省は検討すると約束してくれています。

【参考】第201回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 第1号 令和2年2月25日

[質問]自由民主党 衆議院議員 小林史明

[回答]政府参考人:(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)橋本 泰宏

2.miyasukuプロジェクトの今後の動き

 高専と言えば「ロボコン」、KOSEN-ATネットとコラボして、研究・開発を進めています。

 (1)視線で電動車椅子運転

 (2)視線で動く介護ロボット

 (3)ボッチャのリモート対戦

 ※時間がありましたら、実演します。

株式会社ユニコーン(miyasuku)

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引地 晶久氏

覗いてみよう!引地の重症心身障害児のリハビリノート~「楽」から「楽しい」へ~

12年前、私は作業療法士となり、重症心身障害児と初めて出会いました。この子達に「何をすればいいのか」「何ができるのか」と悩む日々。呼吸が楽になるように、関節を固めないように、色々な楽な姿勢が取れるように…私のリハビリは「生きることを楽にするリハビリ」でした。その中で何か反応が引き出せないかと様々な感覚刺激や、介助で体を動かして活動をしました。しかし、子ども達にとっては自分の力ではなく他人に「やってもらっていること」でした。

そんな私の関りの中で、子ども達に小さいながらも反応があることに気づきます。挨拶をすると一瞬目が合う気がする、光に瞬きしている気がする…絶対にそうだと確信が持てない程、小さな反応でした。そんな時、視線入力装置に出会います。

視線入力装置は今まで「見ている気がする」と不確実だったものを「見ている!」と確信に変えてくれました。「やってもらっていること」ではなく「自分の力でできること」が見つかりました。その「できる」という力により子ども達は成長し、「次は何が出来るかな」と様々な可能性を私達に見せてくれています。

私のリハビリは「生きることを楽にするリハビリ」から『生きることを楽しくするリハビリ』へと変わったのです。そんな私と重症心身障害の子ども達の成長の記録を、可能な限りたくさんの事例を交えてお話ししたいと思います。

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